再生医療

Regenerative medicine

細胞などを用いて、失われた組織や機能の再生を目指す医療。日本では再生医療等安全性確保法と、再生医療等製品を定める医薬品医療機器等法が提供と製造の枠組みを定めている。

詳細

概要

再生医療は、細胞を加工して患者に用いることで、失われた組織や機能の回復を目指す医療です。日本では2013年に、研究開発から実用化までの施策を推進する法律が成立し、あわせて「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(再生医療等安全性確保法)と、再生医療等製品の承認・許可制度を新設した薬事法の改正が行われました(いずれも2014年11月25日施行)。

制度の仕組み

再生医療等安全性確保法は、臨床研究や自由診療として行われる再生医療等の提供機関と細胞培養加工施設の基準を定め、迅速かつ安全な提供を図る法律です。再生医療等を、人の生命と健康に与える影響の程度に応じて3つに分類しています。

分類 想定される例 手続
第1種 ES細胞、iPS細胞等(高リスク) 特定認定再生医療等委員会の意見を聴き、厚生労働大臣に提供計画を提出。一定の実施制限期間内に安全性等を確認
第2種 体性幹細胞等(中リスク) 特定認定再生医療等委員会の意見を聴き、厚生労働大臣に提供計画を提出
第3種 体細胞を加工したもの等(低リスク) 認定再生医療等委員会の意見を聴き、厚生労働大臣に提供計画を提出

提供計画を出さずに提供すると罰則が適用されます。疾病等が発生した場合は厚生労働大臣に報告し、必要に応じて改善命令や提供の一時停止命令が出されます。細胞培養加工は、医療機関から許可または届出を受けた施設へ外部委託できます。一方、承認を受けて製造販売される再生医療等製品は医薬品医療機器等法に基づき、早期承認制度などが設けられています。なお、再生医療等安全性確保法と臨床研究法の一部を改正する法律が、2025年5月31日に施行されています。

スタートアップの取り組み

  • iPSポータル:再生医療の産業化を推進する京都大学発の企業で、自家のiPS細胞由来の角膜上皮細胞シートが治験に進むと発表した(発表、2026年1月)。自分の細胞からiPS細胞を作製・保管する「BRR」も準備している。
  • リィエイル:患者本人の末梢血から加工した細胞製剤を開発し、難治性虚血性下肢潰瘍に対する「RE-01」の第II相医師主導治験を開始した(発表、2026年9月)。
  • Heartseed:iPS細胞から作製した細胞を用いた心筋再生医療を開発する。東京証券取引所グロース市場に上場している。
  • Gaudi Clinical:歯科・整形外科領域を中心に、細胞培養加工の受託と、クリニックの規制対応や治療データ収集を支援する。
  • ナレッジパレット:シングルセルトランスクリプトームを中核技術に、創薬と再生医療製品の高品質化に向けた研究開発を行う。

一次情報