SBTi(科学的根拠に基づく目標)

Science Based Targets initiative (SBTi)

企業が2050年までのネットゼロに沿った、科学的根拠に基づく温室効果ガス削減目標を設定するための基準と認定を提供する取り組み。企業ネットゼロ基準はV2.0への移行が進む。

詳細

概要

SBTi(Science Based Targets initiative)は、企業が2050年までのネットゼロ達成に沿った科学に基づく目標を設定するためのガイダンスとツールを提供する取り組みです。SBTiの公式ページでは、企業向けネットゼロ目標設定の世界初の科学に基づく枠組みと位置づけられています。目標設定に加え、移行リスクの管理や、ネットゼロ経済への移行に伴う機会の獲得も支援するとされています。

企業ネットゼロ基準V2.0

V2.0は、V1の基盤を発展させ、気候科学の進展や実施上の教訓、関係者の意見を反映した改訂版です。2回のパブリックコンサルテーション、パイロットテスト、技術評議会によるレビューを経て、理事会が正式に採択しました。公式ページによれば、2026年はV1.3.1が引き続き有効で、2027年第1四半期からV2.0の検証が始まります。2028年1月31日までV1.3.1で目標を提出でき、2028年2月1日以降はすべての新規提出にV2.0が必要です。

Zeveroのリリースでは、V2.0の主な変更点として、次の内容を挙げています。

  • 企業規模や地域に応じて「カテゴリーA」と「カテゴリーB」に分かれる。
  • 検証が5年周期の継続的なサイクルになり、毎年の報告が求められる。
  • スコープ1と2は個別の目標が必要となり、合算目標は廃止された。
  • スコープ3は、全体の5%以上を占める各カテゴリーを個別にカバーする。
  • 目標は取締役会の承認と、移行計画の策定・開示に裏付けられる必要がある。

企業への影響

シェルパ・アンド・カンパニーは、改定の方向性を、目標の設定から実装と進捗の証明への移行と説明しています。算定だけでなく、監査に耐える品質のデータ管理や内部統制、移行計画の策定、第三者保証の準備が必要になるとしています。

スタートアップの取り組み

  • Zeveroは、Scope 1〜3の排出量データの収集・算定を自動化するAIカーボンマネジメントを提供しています。SBTiが2026年6月11日に公表したV2.0に対応し、GHGインベントリ算定、目標設定支援、移行計画の策定支援、既存の検証済み目標のギャップ分析を始めました(発表、2026年8月)。
  • シェルパ・アンド・カンパニーは、ESG情報開示支援クラウド「SmartESG」を提供しています。運営メディア「ESG Journal」で、V2.0への移行を扱うホワイトペーパーを公開しました(発表、2026年8月)。

一次情報